「シンクライアントは死んだ」ということなんですが、そうだったら、ノートPCだって死んでいると思うわけです。両方いいところがあり、どっちかが絶対的に正しいというのは、PCとシンクライアントについては思い至りません。
> 米国などではシンクライアントはどう評価されているのですか?ノートPCは当たり前に持ち出して使われていると思うのですが。
確かに、米国でノートPCを持ち出して使う人が多いですね。そういう必要がある人がリスクを自覚してノートPCを持ち出して使うことは否定しません。また、紛失・盗難したPCの情報消去や追跡サービスなどもあります。
そういった紛失・盗難リスク対策を突き詰めていくと、モバイルシンクライアントという解決策が浮かび、実際製品が出ています。モバイルブロードバンドが普及しつつある中、今後モバイルシンクライアントはより現実味を持ち出すと予想しています。
一方、そういう持ち帰り仕事をすべきでないと定義される人も多くいます。定型的な仕事をオフィスでこなすことが求められる人々です。そういう方々は派遣や請負とかの形態も多く、人の入れ替わりも比較的多くあります。そのたびごとに新しい構成のPCを用意するのは大変なので、シンクライアントを使い仕事ごとの構成を仮想化した「定義ファイル」で用意して簡単に用意できるとか、いう形態の方が、管理コストを下げることができます。
かつて、私は、Microsoft Systems Management Server という分散システム集中管理ツールのプロダクトマーケティング責任者をしていました。1995年とか97年ごろ、クライアント・サーバー全盛期の話です。システム管理の問題の解決策として、そういったクライアントPC管理ツールは進化していますが、それと平行して違うアプローチから問題を解決する手段が多様化しています。
教条的に考えるのではなく、多様な現実にあわせて考えることが今求められると思います。