2008年8月28日木曜日
外資企業での「報連相」の実態を紹介します
アメリカ系外資企業の勤務暦が延べ10年以上、という私からすると、この記事はある意味真実である意味誤解されていると思いました。
では実態を紹介しましょう。
■外資では、結果が細かく定義されていて、実はレポート頻度も高い
> 大事な事は結果だ。結果が全て。結果を出すまでのプロセスをイチイチ「報連相」するのはオカシイ
だそうです。私の経験した範囲でいうと、結果がすべてなのはそうです。ただ、それでうまく会社が機能するように個人の目標が細かく分かれていて、日本的な感覚でのプロセスレベルまで結果が細かく分かれています。
要するに売り上げが上がって利益がでて、現金が回収できればいいのが会社とすると、そうはいあっても売り上げの元になる見込み顧客(リード)を捕まえたり、その種になるブランドや認知も必要です。そのあたりも各自の「結果」として定義されているので、結果がすべてで回るわけです。
KPI(重要業績達成指標)が細かく「結果」として定義されているので結果を出せば問題なしというわけです。また、四半期とかの締めでの着地点も毎週予測を直したりして、つまり細かく報告し連絡しているまた、駄目そうなら相談するということも実はやっているわけです。
逆に日本企業は結果が大雑把なので、定義されていないプロセスを細かく連絡・報告・相談することが必要とされます。
■権限委譲の話
このあたりは文化の違いの範囲だと思います。多国籍企業では、いろいろな文化背景を持った人が混じっており、人やチームに依存することとかをよく見ます。
ただ、外資は」縦割り度が強いのは確かで、権限委譲というより、縦のつながりの強さを感じます。
日本は「隣百姓」文化があると聞きます。周りを見ながら、信頼する隣が種を撒いたらじゃあうちもと同じことをしておけば、大過なく農作物がとれるというある種の知恵です。
外資だとそうじゃなくて、やるべきことは上から落ちてくる傾向が強く、周りを見ながら気を利かせて勝手にやるとかいう行動原理はあまりありません。
そのおかげで、うまく機能していないチームはとことん困るとかいうこともありえます。
いずれにしろ、仕事のスタイルが違うので仕事文化も違うという感じです。そして、トータルでみると大ききくは違わないのでそれなりに機能しているともいえます。ただ、しっかり根回ししてちゃんとやったのにその先で期待通りに動いてくれないとかあると、「ああ俺は今外資に居るのだ」と実感するわけです。
2008年7月22日火曜日
媒体資料から、Webマーケティング的に毎日新聞WaiWai事件を読み解く
また、日本の伝統文化、社会風俗、外国人コラム、毎日新聞社説などを
盛り込み日本の情報を発信しています。
チャンネルデータ(2006年9月実績)
PV数 1000万
ウィークリースーパーバナー
料金 ¥ 500,000(100万imps想定) 期間保証
掲載期間 1週間 枠数 1枠
掲載面 Mainichi Daily News 同時掲載本数 5本以内
http://advertising.msn.co.jp/channel/news_eng.htm
http://s04.megalodon.jp/2008-0722-2311-26/advertising.msn.co.jp/channel/news_eng.htm (念のための魚拓)
というのを、MSN Mainichi Daily Newsの媒体紹介資料を見つけました。
WaiWai事件で火がついたのは、MSNと分かれた後ですが、その前から、社会風俗はコラムや社説に並ぶような大きなテーマであったことが分かります。また、主な商品は、一週間で100万インプレッション(表示回数)を想定するというバナーであったため、ページビュー(PV)を維持し、伸ばすことが求められていたと推定されます。月間1000万PVは、週間で約250万PV、なので、同時掲載5本以内というコントロールだと50万インプレッションになるはずなのですが、ここは少なめに抑えるとかしたのでしょう。
ともかく、アクセスを稼ぐことが求められたのがこの当時の一般的な広告モデルのWebビジネスのありかたでした。
なぜ?ZAKZAKよりも高い、Mainichi Daily Newsの男性比率
これだけを見ていると分かりませんが、当時のMSNで扱っていた他媒体との比較でプロファイル上の特性に気づきました。英字紙なので、海外からのアクセスが約半分と多いのは当然なのですが、その分を考えても、男性78%、女性19%というのは、他より男性が突出しています。MSN毎日ニュースでは男性比率は63%でした。
私のイメージでは、英語が得意とかがんばって英語を読むのは女性のほうが多いはずでした。なのに、逆に媒体プロファイルでは男性比率が上がるというのは不思議です。媒体資料にもある社会風俗記事が人気を集めていたため、男性が集まったのか?などと考えてしまいます。
男性が好きそうな類似媒体ということで夕刊フジから派生したWeb媒体ZAKZAKのプロフィールを見ると、こちらは、男性が69.2%でした。時期が違うとは言え、おやじ向け媒体のZAKZAKより9%も男性比率が高いというのは、やはり何らかの特殊な媒体だったのではないかと思えてきます。
これはMainichi Daily News全体としての情報なのでWaiWaiに限るともっと比率は極端だったのか、それともWaiWaiのページビュー比率がやたら高かったのか?いろいろ考えさせられます。
結論:広告読者属性情報は心して読むべし
真相は分かりませんが、単に数を稼げばいいというものではない場合、広告媒体の読者プロファイル情報は心して読むべきでしょう。
2008年7月13日日曜日
磁気処理水の次週にダウジング、テレビの自由と責任を問う
今回はいくつかのストーンサークルを取材しました。そしてそれぞれのストーンサークルでダウジングをしたんです。ダウジングとは、L字型の器具を使ったエネルギー感知法です。水道局の人が水道管を探すときに使ったりもするそうです(笑)。短い方を軽く握り、平行に持って歩いて、何らかのエネルギーがある場所にくると、開いたり左右に動いたりします。ダウジングは、こっくりさんと同じ、不覚筋動でおきる現象というのが一般的な説です。今回はストーンサークルでだけ「開いたり左右に動いたり」したそうですが、「何かのエネルギーがある場所に来ると」という説明もされています。器具が動くのでエネルギーが働いているのは確かですが、無意識の筋肉の動きかもしれないということよりも、未知なるふしぎなエネルギーと取れる内容でテレビでも紹介されていました。
取材したストーンサークルでダウジングをすると、中心の重要なポイントにくると左と右が逆方向に回転したんです。私も何度かダウジングをしましたが、今回のようなケースは初めてです。しかもどのストーンサークルでも同じ反応でした。それがどんなエネルギーなのか、何を意味するのかはわかりませんがとてもふしぎな体験でした。
科学番組じゃない、「ふしぎ」を発見する番組だといわれればそれまでですが、もう少し科学的な態度で臨んで欲しかったと残念です。
そういう説があるのか知りませんが、個人的な推測としては、ストーンサークルは遠くから運ばれた特別な石が使われているそうで、それが多少でも鉄鉱石なり帯磁性のあるものを含めば、ストーンサークル全体で100トン級の相当な質量があるので磁気で鉄の棒が動くとか、鉄の棒自体が帯磁して磁石になっていて磁気のバランスでくるくる回るとかあっても不思議ではないでしょう?
電気モーターといえば、日立製作所の創業の商品です。GEがエジソンの電球で語られるのと同列の大切なものなはずです。そう思うと、最近の世界ふしぎ発見のあまり科学的でない傾向には疑問を感じざるを得ません。
2008年7月7日月曜日
ネタばれ注意:テレビで紹介された磁気処理水への懸念
Wikipediaの磁気処理水の項目:
にあるように、現代日本においては、磁気処理水は科学的根拠がないとされている。旧ソ連で研究がされていたということから、現代のキューバで信じられて使われ続けているという現象は理解できます。しかし、それは、古代のふしぎな文明の習慣としてではなく、現代の知見のひとつとして紹介されているので、それが合理的なものだと誤解される可能は大いに高そうです。
「ふしぎ」を発見する番組だといわれればそれまでですが、しかし、キューバに対して歩ティブに描かれたその文脈で磁気処理水の根拠に使われるのはうれしくない。テレビ番組の伝達力は強力なものがあり、社会の公器を扱う会社として厳密に取り組んで欲しいと期待します。
2008年6月22日日曜日
Google Trendsに気をつけろ!
しかし、TechCrunch Googleがトラフィック統計参入(TechCrunch, 6/21)で
と書かれているように、そのデータは注意が必要です。ニールセン・オンラインの萩原社長もご自身が主宰される人気メーリングリストでそのことを指摘されています。誤解する人が出るだろうという心配は杞憂では無いようで、Google Trendsのサイト比較結果の不思議 といった疑問を持ちつつも根本的なデータの見方を誤解されている投稿が出始めています。アグリゲートしたGoogle検索データ、オプトイン方式でアグリゲートした匿名のGoogle Analyticsのデータ、オプトイン方式で集めた消費者パネルのデータほか、サードパーティーの市場調査など、様々なソースからの情報をひとつにまとめる。
グレイト。つまり本当かどうか信憑性も分からない、100%不正確の可能性もあるトラフィック情報のソースがまたひとつ増えるということか。グーグ ルはその巨大な検索情報のデータベースをレバレッジできるので、他サービスよりもっと正確なトラフィック測定値を出せる可能性もある。それだけで Alexaその他の仲間たちは内心ビクビクかもしれないが、サイトにAnalytics情報共有のチャンスが与えられるまでは、どんなランキングもかなり 疑いの眼差しで受け止められそうだ。
やはりGoogleというブランドで出るサービスだけに、情報を不思議に思うならまだよいですが、誤解して鵜呑みにする人が出てきそうです。Googleは自社のブランドを守るためにも急ぎ、そのサイトの性質をより正確に説明すべきでしょう。
なお、私自身はGoogle Trendsには今までの他社サービスに無い可能性を感じています。
例えば、OracleとSAPの比較
http://trends.google.com
とか、Alexaだとパネルの違いから意味がないと断言できまし
データかもしれないという可能性を感じます。
調査母体の性質や調査方法はよくわかりませんが、企業ユーザーとかがある程度十分な数含まれていて相対的な比較では意味を持ちうる可能性を感じるわけです。
とはいえ、闇鍋状態であるのは確かで、より注意して扱うべきでしょう。
ブロックブログ閉鎖に寄せて(全文)
2003年からサービス開始の老舗のBlogサービスブロックブログおよびグループ運営 できるホスティングサービスのブロックグループが短い告知期 間で閉鎖されることが一部で話題になっています。運営元の株式会社キュルイ竹内克仁氏とは 旧応用通信電業(OTD)時代に、取引させていただいた、とか元社員の方とつながりがあったとかいう縁で気にかけていたので、私なりの考察を述べてみま す。なお、せっかくの記事なので多くの方に読んでもらえるように冒頭はCNET Japanに書きますが、より込み入ったことは責任がより明確な実名運営の私のブログに書かせていただきます。
事実関係の整理:突然の閉鎖の告知状況
◆しかし、「サービス終了発表から10日後に全て消滅」という、夜逃げ同然の有り得ない閉鎖形態であった上に、ユーザーへのサービス告知メール等も無かった為に、ユーザー間に動揺が広がる。
とされてますが、私は、6/18付けで以下のメール
6月13日にトップページで告知いたしました通り、残念ながら、
このたび2008年6月26日(木)をもって、ブロックグループ/ブロックブログを閉鎖させていただくこととなりました。
を運営元から受け取っているので、「告知メール等も無い」わけでないことを補足させてもらいます。
た だ、メールを受け取ったらもう閉鎖まで10日無いという状況なので困るのは確かでしょう。キュルイの前進応用通信電業はOTD掲示板を事業譲渡し、今は Livedoor傘下のサービスとして続いているだけに、こういったユーザーサービスの重みを知り、うまい終わらせ方の経験をしているはずなのにという想 いが残ります。まして、プリペイドの有償サービスとしてやっていたですから。
事情を推察するに、有償サービスもあったからこそ、終わりが破綻と同時となってしまうということなのかもしれません。閉鎖に伴い返金対応せざるを得ない以上、それが即、債務不履行につながる行為として致命的なことだったのではないかと推察します。
無料レンタル掲示板で一定の存在感を持った応用通信電業/ルーズフィット/キュルイの歴史を振り返る
手元の資料によると、応用通信電業は当時大学院生の竹内氏と、長らく社長だった井上氏の二人で1998年7月に事業を開始、1999年4月に有限会社化、 OTD BBS サービスを1999年8月19日に開始ということで立ち上がった会社です。学生企業からネットバブル崩壊の荒波を越え、10年近い歴史を刻んできたことは 大いに賞賛に値します。そして、OTD BBSは無料レンタル掲示板サービスとしては、Teacupに次ぐ2位のシェアをもち、それなりに存在感があったのです。
その後、OTD BBSの広告価値拡大に苦戦するも、無料ISPだった旧Livedoorに掲示板システムを提供するなどして成長しましたが、委託業務の終了などで、苦境に陥り、2003年7月に女性向けコミュニティサイト「LIN(凛)」などを運営する株式会社アルチェにOTD BBSを営業譲渡します。(ちなみに、そのアルチェは現Livedoorに買収され、OTD BBSは今もサービスとしては健在です。)
OTD BBSを事業譲渡した応用通信電業は2003年にBLOCKBLOG(以下ブロックブログ)サービスを開始します。無料レンタル掲示板を事業としてきた会 社が、今度はブログに転換というのはスムーズなストーリーですが、 ひとつ違う点がありました。ブロックブログは有償が基本だったのです。しかし、ブログの存在がより重要となり大手が無料で次々と参入するという中、 2004年3月無料に転換しました。
そのころから、サービス存続への疑問はあったようです。サービスへの不満やデータ移行の問題に対して社長の竹内氏は自身のブログ http://web.archive.org/web/20050920093100/http://dream.bblog.jp/entry/33788/ で2004/07/26に「運営のスタイル[BLOCKBLOG]」という題でこう回答されています。
この記事は、本来のURLではもう見れなくなっていますが、Archive.org には残っていました。
ただし、ある日突然サービスが消えてしまうということはありません。
絶対にありません。
なぜないかというと、私がそれをしないからです。
私にそのつもりがなくても、儲かってなかったらダメだろうといわれそうですが、そんなに金がかからないように作ってあるので、資金ショートである日突然なくなるようなことにはなりません。
もし万が一、わが社で運営しきれないようなことになったら、運営することができるところに譲渡します。
それもできないような最悪の事態のときは、閉じる前に告知を行い、データのダウンロードをできるような体勢を整えて、データを皆さんの手元にお返しすることだけは、確保したいと思っています。
それすらもできなかったら、データをRに焼いて、私のメールアドレスを公開し、手動ででもデータの回収要求にお応えします。
以上のようなことは想像したくはないですが、サービスを行ううえでの覚悟だと思っています。
「みんなバスに乗り遅れまいとして、採算を度外視してblogをやっているように見えるが、大丈夫なのか? そんなバブルは近いうちにはじけるのではないか」
という危惧は、皆さんお持ちであろうと思います。
その危惧は、あたっているのも事実です。
しかし、私も含めてですが、blogをやっているところで、これからの発展をblogだけで考えているところはないのではないでしょうか。
blogはもっと大きな変化の緒戦にすぎないと思っています。
もっと大きな変化というのは、XMLの普及であり、閲覧環境の非ブラウザ化であったりします。
デー タを(CD)Rに焼いてでもと言いつつ、XMLの普及と非ブラウザ化に話が飛ぶあたり、理想と現実のはざ間に立つ社長の苦悩が垣間見れます。データのエク スポート機能なんて最初からあって当たり前なはずなのに、それが今無いというジレンマなのでしょうか?(ちなみに、ブロックブログのデータ移行は記事掲載 数を最大数表示、日付時間表示を変更、Movable Type方式に変換とかの流れで可能なそうです。ただし、手順を見るにかなり高度な技が要求されます。)
ともかく、この投稿からはいろいろなことが窺えます。ブロックブログは儲かってないようではあるがそれほどコストもかからないので、事業の突然死は予期していないということです。とはいっても儲かる種が無い会社は存続ができません。
ルー ズフィットという新たな社名で2007年7月にBLOCKGROUP(ブロックグ ループ)というグループ編集機能とSubversionを用いたファイルの世代管理機能を持つ有償ホスティングサービスを開始します。ファイルの世代管理 は私も開発者時代に使っていたので期待しました。使いやすければ多少高くても使おうかなという気になって調べたら250円と安かったのです。しかし、結局 私は利用するまで至りませんでした。
ニーズ不在だった、大きな賭け:ブロックグループ
結局、Subversionはタフすぎて、使いこなせる気がしませんでした。自分ひとりでは使いこなせるかもですが、グループで使っていくことを考えると、この概念をみんなで理解して使いこなすのはほとんど無理という結論がすぐに出てしまいました。Backlogという使いやすいツールを使っていても、大勢で使うにはいろいろな問題を経験しました。使いたくない理由をいろいろ見つけてくる人がいるのがこういうツールの常です。そこからすると、ブロックグループは概念の理解というところで躓くと確信がもてたのです。
便 利で役立つ機能なので、世の中にはこれを必要とする人も居るとは思います。しかし、月250円という大衆価格で採算がとれるほど集まるとは思えま せん。例えば、月額10万円とか、もしくはそもそも、開発費用を持つから作ってくれと頼まれたら、カスタムサービスとしてウン百万円かけて作ってあげるぐ らいのサービスだったのではないかと私には思えます。
竹内氏へのエール今回、ブロックブログ/ブロックグループは残念なサービス終了という形になりました。後始末には大変なご苦労があるでしょうが、是非なんらかの形で立ち直ってほしいと期待しています。そして、10年間の取り組みでOTD BBSというサービスを残して世に役立っているということは誇りとして大切にして次の仕事に役立てられることを祈念いたします。
2008年6月20日金曜日
Web戦略とデザイン不在が招いた厚生労働省Webサイト混乱の必然
遅く帰って、夕刊を開いたら驚いた。日経3面に「”偽サイト”最上位に」という大見出しで、グーグル「厚労省」検索が乗っ取られ、「原因を調査中」というのだ。記事では真相が分からないのでニュースを検索すると状況が見えてきた。ITメディアの記事によると、
12月26日午後7時時点で、両キーワードで検索すると、「xuite.net」という厚労省とは無関係なドメインのURLが検索結果の最上位に表示される。同サイトは台湾の翻訳サービスとみられる。
という。ITmedhiaの記事にはニュースになった時点の結果が残っていて、私が確認した12/27の午前零時過ぎには、Wikipediaの記事が1位という全く違う結果になっていた。
■1位で表示されていたサイトの正体:台湾のWeb翻訳ツールっぽい(私見)
1位表示されていたサイトの正体は、翻訳サービスを通して表示したページのようだ。アクセスして画面をキャプチャしてみたのだが、正規のページの情報をリアルタイムに読み込んで、プルダウン方式の広告を出す仕組みで閲覧させている。jp2jp で始まるドメインが、日本語ページを日本語に翻訳(スルー)しているという意味かもしれない。
問い合わせが来て大事になったのだと思うのだが、専門家が調べればこのページの正体が分かりうるし、あわてて大騒ぎしていたずらに不安を煽るようなことは過剰反応だろう。
■Web戦略とデザイン不在が招いた自業自得の大混乱
どうやったら、この台湾のツールを通したサイトが1位になれたのか?大いに不思議だが、12/27午前零時時点の検索結果からある程度類推がつく。公式サイトのドメインやURLが乱立して、本物の公式「ホームページ」がどれなのか見分けが付きにくい混乱が続いているのだ。検索結果の状況を末尾にコピーしたが、上位28の検索結果中、なんと21URLが公式サイトおよびそのサブドメインになっている。www. で始まるのがWebという慣わしのほかに、bbs.とか実は任意の文字列でhppp のWebサーバーを立てられるのだが、これがごちゃごちゃといっぱい立っていてどれが本家か分からない状態になっているのだ。
という注意は、実体に即していない。この注意だと、例えば、「wwwdbtk.mhlw.go.jp/toukei/ は偽サイトなのか?」とい余計な混乱までまねきかねない。
本来どうすべきかは、対策で書かれたように、wwwで始まり、 / (スラッシュ)で終わるページを正規のホームページとして集約させるべきだ。実際、ほとんどの企業やサービスサイトがそうして、混乱を防いでいる。大規模な例外がYahoo!と2chなのだが、www-secure.のようなオレオレ詐欺風のサブドメインは使っていない。用途ごとやジャンルごとに分けた意味を持たせたサブドメインを適宜使っている。また、サイトの親子関係が分かるようデザインし、必要性があって作った別のサブドメインのサイトもサブサイトとして統一感を持たせ、下の階層ページと似た位置づけとしている。2chのように巨大な負荷を低コストでさばかねばならないサイトではサブドメインを分けたサーバーをいっぱい立てるのは合理的だが、ここだとsports3 .2ch.net とかいうように読み取りやすく識別しやすい文字に留めている。
ASP/SaaS企業だと企業サイトとサービスサイトを分けるところが多いが、その場合もサービスと運営主体の主従関係を整理してみせる必要がある。前の勤め先のデジタルフォレストは、商品サイトとしてのVisionalistと以前は完全に分離していた。運営主体が分かるように工夫して、その結びつきを分かりやすく最近整理しているが、こういう微妙なデザインが必要なのだ。ハローワークのサイトとか、競争の激しい人材サイトの一つとして運営しているという気構え、予算、体制とかがあるようには見えない。
また、細かなことだが、厚生労働省のサイトはトップへのリンクが www.mhlw.go.jp/ とは限らず www.mhlw.go.jp/index.html にもリンクしてURLが分散している。ここは / に統一して、おくべきだ。SEOの基本的なコツの一つだ。ファイルサーバーでリンク確認しているとか作り手の都合が見え透いているのは残念だ。
■SEOは、Web戦略担当者の必須項目
いずれにしろ、今回の騒動は、SEOへの注目を集めまた、Web戦略担当者が気にすべき必須項目として認知が広がるきっかけになるだろう。世の中これに似た例は他にも何度か見ている。
心当たりがある人は自分のサイトがずばり出てくるか、急ぎ見直しておいたほうがいいだろう。
1 | 厚生労働省 - Wikipedia | |
ja.wikipedia.org/wiki/厚生労働省 - 68k | ||
2 | Category:厚生労働省 - Wikipedia | |
ja.wikipedia.org/wiki/Category:厚生労働省 - 44k | ||
3 | 厚生労働省ホームページ検索 - 0:06 | |
kensaku.mhlw.go.jp/ - 12k | 1 | |
4 | 厚生労働省:メール受付 | |
https://www-secure.mhlw.go.jp/getmail/getmail.html - 6k | 2 | |
5 | 厚生労働省統計表データベース - 0:08 | |
wwwdbtk.mhlw.go.jp/toukei/ - 6k | 3 | |
6 | 統計調査別公表データ | |
wwwdbtk.mhlw.go.jp/toukei/kouhyo/indexk-roudou.html - 26k | 4 | |
7 | 厚生労働省 | |
www.mhlw.go.jp/ - 関連ページ - メモをとる | 5 | |
8 | 重症急性呼吸器症候群(SARS)関連情報 | |
www.mhlw.go.jp/topics/2003/03/tp0318-1.html - 2k | 6 | |
9 | 厚生労働省 電子申請・届出システム | |
hanyous.mhlw.go.jp/shinsei/crn/html/CRNMenuFrame.html - 1k | 7 | |
10 | 厚生労働省 電子申請・届出システム | |
hanyous.mhlw.go.jp/shinsei/crn/html/CRNHajimete.html - 21k | 8 | |
11 | 厚生労働省 電子入札システム | |
www.ebid.mhlw.go.jp/ - 10k | 9 | |
12 | 厚生労働省 電子入札システム | |
www.ebid.mhlw.go.jp/info/ - 2k | 10 | |
13 | 法令等データベースシステム | |
wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/ - 7k | 11 | |
14 | 法令等データベースシステム | |
wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/html/hourei/contents.html - 1k | 12 | |
15 | 厚生労働省 | |
mobile.mhlw.go.jp/ - 2k | 13 | |
16 | 厚生労働省:ハローワーク | |
mobile.mhlw.go.jp/hellowork/index.html - 2k | 14 | |
17 | 各種助成金、奨励金の制度 | |
www2.mhlw.go.jp/topics/seido/etc/antei/index.htm - 3k | 15 | |
18 | 教育訓練給付の支給申請手続について | |
www2.mhlw.go.jp/topics/seido/anteikyoku/kyouiku/index.htm - 17k | 16 | |
19 | 厚生労働省:厚生労働統計一覧 | |
www-bm.mhlw.go.jp/toukei/itiran/index.html - 16k | 17 | |
20 | 厚生労働省:一般職業紹介状況(平成19年2月分)について | |
www-bm.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/ippan/2007/02/index.html - 8k | 18 | |
21 | 厚生労働省:イザ! | |
www.iza.ne.jp/izaword/word/%25E5%258E%259A%25E7%2594%259F%25E5%258A%25B4%25E5%2583%258D%25E7%259C%2581/ - 56k | ||
22 | 厚生労働省とは - はてなダイアリー | |
d.hatena.ne.jp/keyword/%B8%FC%C0%B8%CF%AB%C6%AF%BE%CA - 37k | ||
23 | FORTH(FOR Traveler's Health) - 厚生労働省検疫所 海外感染症情報 - 0:07 | |
www.forth.go.jp/ - 15k | ||
24 | 動物由来感染症を知っていますか? | |
www.forth.go.jp/mhlw/animal/ - 10k | ||
25 | ようこそ厚生労働省図書館へ | |
library.mhlw.go.jp/ - 7k | 19 | |
26 | 情報館WebOPACトップページ | |
library.mhlw.go.jp/jhkweb_JPN/ - 5k | 20 | |
27 | ハローワークインターネットサービス | |
www.hellowork.go.jp/ - 32k | ||
28 | 白書等データベースシステム | |
wwwhakusyo.mhlw.go.jp/wp/ - 1k |